濱沖敢太郎のブログ

濱沖敢太郎(教育学)のブログです。主に研究教育のメモとして使おうと思っています。

日記211118

ひとまず1回読み終えた。ひとまず、と書いたけど2週間くらいかかった気がする。

看護の外堀?をきちんと理解しようと手に取った。以前読んだ島崎『日本の医療』医療保険猪飼『病院の世紀の理論』が20世紀前半の医療供給をメインに据えていたのに対して、本書は1970年代くらいまでの医療供給をカバーしていてとてもありがたかった&勉強になった。特に供給側における日病の影響力の小ささというのは看護の問題考えるときに頭の片隅に置いておいた方がいいな、と。それと関わる保険拡大の説明もなるほどと思いながら読みました。

ちなみに本書全体から言えば相当瑣末だけど、病院ストに関する日看協の位置づけは少し違和感を覚えた。「協会全体として冷淡」というのは不正確な気がする。執行部と現場看護婦の温度差があったとか、内部に対立があったのはまぁわかる。少なくとも、参照されている林塩や石本茂の原稿や発言は労働運動への懐疑的な態度を示した根拠にはならないし、彼女らの信条は別にして、当時正面切って懐疑的な態度を示せる立場や状況にあったとは思えない。とはいえ、このあたり標準的なテキストでも何じゃそりゃみたいな記述があったりするのでちゃんとした整理が必要なんだろう。

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