濱沖敢太郎のブログ

濱沖敢太郎(教育学)のブログです。主に研究教育のメモとして使おうと思っています。

日記200713

昨日?なんだかのシンポジウムが話題になっていましたが...

 

黒崎勲のこの本、関係者への丁寧な聞き取りをしていて、とてもいい本だなと思いました。金子郁容に対する手厳しい評価と、鈴木寛に対する肯定的な評価との落差がおもしろいというか、悩ましいというか。これらは両者がどのように政策に関わったのかというポジションと、それに対する周囲の評価をベースにするが所以の問題ではあるんだけど、同時に黒崎自身の理屈の問題でもある気がする。端的に、実態把握が粗い。言い換えると、「改革」推進(あるいはその擁護)の論拠が脆弱。繰り返しになるけど、本書の魅力は、そんじょそこらの研究者ではアクセスできない人間の聞き取りを記録に残したこと。なので、調査をしたからこそ言えることをまとめようとすると、こうなるんでしょう。でも、やっぱり「それでいいんかい?」というツッコまずにはいられなかったです。

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