【2020年度シラバス2】教育社会学概論
1. 論文のつくり方
(省略:こちらの記事の省略版を掲載)
2. 授業のねらい
・主張の一般化の問題について考える
→たとえば、「現代はグローバル化が進んでいる」という主張の真偽はどう判断したら良いだろうか。極論を言えば、「現代」あるいは「グローバル化」の意味は人によって違うだろうし、そうすると主張の真偽は一切弁別できないものになってしまう(事実は基本的に個人の意見や理解に帰着する)。どうやったら、個人的ではない≒共有可能な知識を作り出すことが可能なのか。この難題に取り組んだ一人がデュルケムである。もちろん、デュルケムの考えが唯一の考えではないものの、「難題」への対応は卒論を書こうとする人にとって多少なりとも避けられない。「そんなのケースバイケースでしょ」というツッコミをどう退けるのか、少しずつ考えてみよう。
・難しい本を読む
→卒論の執筆は関連領域の専門書を批判することが前提なので、そのトレーニング。
→関連して、同じ本を丁寧に(↔︎二周以上)読む経験を積む。
→同じく、1人では理解できない文章を他人の力を借りて読む経験を積む。
3. 講読予定
第2回:『社会学入門』序章・2章
第3回:(講義のみ)
第4回:『社会学的方法の規準』序・1章
第5回:『方法規準』2章
第6回:『方法規準』3章
第7回:『方法規準』4章
第8回:『方法規準』5章
第9回:『方法規準』6章・終章
第10回:『社会学入門』6章
第11回:『方法規準』再読(1)
第12回:『方法規準』再読(2)
第13回:『方法規準』再読(3)
第14回:「社会学的記述」
第15回:『社会学入門』7章・終章
4. 報告担当の仕事
要約の作成:分量は問わない。
疑問の提示:調べてもわからなかったことを報告する。
資料作成上の注意:調べた資料については、必ず出典を明記する。特定の文や段落に根拠となる出典がある場合には、「脚注」に以下の情報を明記してください。「脚注」の作成はWordの機能を活用してください(ツールバーの「参考情報(参照設定)」→「脚注の挿入」)。
(情報は省略)
資料作成〆切:報告日の前の回に人数+提出分を印刷して持参・配布。
5. 授業の進め方
要約確認:要約が適切かどうかを議論する。誤読はもちろんのこと、大事な部分が抜け落ちていないかどうかなどをよく確認する。目安時間:10分
メンバーからの質疑:報告担当以外のメンバーは必ず1つ質問を準備の上、参加すること。報告担当者は協力してメンバーからの質疑に答える。目安時間:10×6=60分
報告担当の疑問について議論:グループで協力して、報告担当の疑問を解決する。目安時間:20分
6. 最終レポート
課題内容:以下の4つの問いから1つを選択し、選んだ問いを解くにあたって、『社会学的方法の規準』でデュルケムが提示した規準に従わないと生じる問題を章ごとに示す。
・なぜ、不登校が増加したのか(70s〜00s)
・なぜ、児童虐待が増加しているのか(90s〜00s)
・なぜ、援助交際(「パパ活」などを含む)が発生するのか(90s〜10s)
・なぜ、高校生の学習時間は減少したのか(90s〜00s)
作成上の注意:調べた資料については、必ず出典を明記する。ルールは報告資料と同様。